『はてしない物語』(岩波書店1982)*画像は岩波少年文庫
著者:ミヒャエル・エンデ(1929-1995)
訳者:上田 真而子、佐藤 真理子
この本を最初に読んだのは、お昼休みの、高校の図書館となる。紫色の表紙で、ページの紙質と色がきれいで、クラシックな挿絵のある、美しい単行本だった。
えらく面白くて、バスチアンが、「はてしない物語」の本に、強く引き込まれたのと同じように、自分もエンデのこの本に引き込まれた。
その後、東京で、「エンデ父子展」をみにいったこともある。
エドガー・エンデの作品は、象徴に満ちていて、神秘的で、この世というよりは、無意識の深層の世界を見据えているような、こわさのある絵だった。オディロン・ルドンの絵を思った。
ナチの受難の時代に、絵画を志した父親である。
(明るく、色彩に満ちた作品を描く、ケストナーも同時代である。)
今本を読み返してみると、休まずに、一歩一歩前にあゆみを進めていけば、終わらない旅はない、自分が予期もしていなかったマジックが起こり、出口は見つかると、教えてくれているように感じる。
(読了:2024年1月24日)