『ドリトル先生航海記』(岩波書店 1960)
著者 ヒュー・ロフティング (1886-1947)
挿絵 ヒュー・ロフティング
訳者 井伏 鱒二(1898-1993)
本を読んだのは、小学生の時。
ドリトル先生を知ったのは、幼稚園のとき、NHKで、映画をみたから。
映画は、「ドリトル先生不思議な旅」(Doctor Dolittle 1967)だったと思う。シルクハットをかぶったドリトル先生が、自分の足を動かすしぐさで、馬と話しをしていた。宮崎の馬の牧場に連れていってもらった時、自分もその動作を馬にやってみたところ、テレビでみたのと同じように、馬が前足を動かしたので、馬と話ができたと大騒ぎしたことを思い出す。
今よむと井伏鱒二の翻訳がとても生き生きとしていて、ドリトル先生の世界に引き込まれる。とても質の高い文章だったことに改めて驚く。石井桃子さんが、ご尽力されたことも全く知らなかった。
ドリトル先生は動物を守護し、動物から守護を得ている。
ガブガブ、ロンドン雀のチープサイト、だぶだぶ、ポリネシア、ジップなど、個性のある動物たちも素晴らしい。
ムツゴロウ先生の動物王国もうそうだったけれど、人ではない動物たちに囲まれた、ドリトル先生シリーズは、子供の自分にとって、あこがれの世界だった。
(読了:2024年5月6日)