農場の少年(福音館 書店1973)

Book

作者:ローラ・インガルス・ワイルダー(1867- 1957)
訳者:恩地 三保子
画:ガース・ウィリアムズ

生き生きとした躍動感に満ちた、ローラの夫アルマゾの少年時代の物語である。

小学校の時に読んだ本で、秋の品評会にアルマンゾが出品したことや、この少年が牛や馬をとてもかわいがっていたことをよく覚えている。

この本を読んでいたおかげで、アメリカが大農業国であることが意識に刻み込まれた。
これはその後に、カーター大統領や、ブッシュ大統領が、農家であることを理解する素地になったと思う。

ニューヨーク州のマローンが舞台で、ニューヨークは自由の女神の都会ばかりでないことも、印象にのこった。

今読むと、ローラと同じ時代のアメリカでも、アルマンゾの一家が定住し、財産を持ち、銀行預金もして、子供も労働力であること、男の子たちがいるかどうかで父親への負担も大きく変わることが、伝わってくる。

作物の種まきも、収穫も、日々の生活も、全てが四季の巡りの中に位置づけられていて、
農家の生活の厳しさに、アルマンゾの兄が、商人の途を考えていることも書かれていた。

しかし同時に、鋤と鍬がこの国をつくったことを忘れるな、町では何もかも他人だのみだ、農家は自分と土地と天候だけを頼みに生きていける、どうしたいか自分で決めよとの父親のセリフや、アメリカ人の独立独歩の強烈な意識もしっかり書かれている。

(読了:2024.12.8)