岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020 (岩波書店2021)

Book

『岩波少年文庫のあゆみ 1950-2020』(岩波書店2021)
著者:若菜 晃子 編著

作者だけではなく、出版社、編集者、翻訳者、装丁、価格設定等もふくめて、岩波少年文庫の70年の歴史を振り返る内容である。

少年文庫は、終戦5年後の、1950年12月25日に刊行された。

当時の子供たちに、飢餓感をもって受け入れられたと思う。

社会の中での子供の本の位置付けや、その内容は、その国で、子供がどう理解され、扱われているかの反映でもある。

石井桃子さんが、日本の本は、短編で童心主義のものがなお主流であり、少年文庫に入れるのが難しかったと語っていたことが、印象に残る。

70年の歩みを支えた、力の集大成を示す、非常によい本だった。

(読了:2024.1.30)