『二年間の休暇』(福音館1968)
著者:ジュール・ベルヌ(1828-1905)
訳者:朝倉 剛
絵:太田 大八
小学校の図書室で、「15少年漂流記」と「2年間の休暇」が同じものであることに気づいて、はっとしたことを覚えている。
初版1888年とあって、こんなに古い本だったのかと思う。少年たちが、1860年のカレンダーを島に持ち出したとの記載もある。
とても面白い冒険小説で、ホメロスの時代から、古今東西を問わず、人間が何を面白いと感じるかは、それほど変わらないのかもしれない。
小学生当時は、作者がジュールベルヌということも気にしていなかったし、『海底二万里』と同じ作者であることも知らなかった。
15少年であるけれども、みんなとても自立した大人である。
銃も打ち、厳しさがあり、個性もある。
福音館の古典童話シリーズは、本の表紙もカラー印刷で、外箱も美しい、世界中の夢の世界がぎゅっとつまった玉手箱として、とてもお世話になったシリーズである。
(読了:2024年6月16日)