Flower Fairy Alphabet (Blackie & Son)(1934)
作者: シシリー・メアリー・バーカー(1895-1973)
挿絵: シシリー・メアリー・バーカー
小学生の時、森永製菓の「ハイクラウンチョコレート」のおまけに、「花の妖精」のカードが入っている時期があった。
花と戯れる、西洋風の子供たちの妖精が、描かれたカードで、宝物だった。
当時の自分にとって、西洋の物語は、夢の世界、憧れの世界であったと思う。
私がもっていたのは、A、B、F、Gの妖精のカードだった。
お菓子は、遠足の時くらいしか、買ってもらえなかったので(しかもお菓子は300円位までとの学校の決まりもあり)、近所の友達と、互いの手持ちのカードをみせあっていた。
森永に1000円を送ると、「花の妖精」の詩集がもらえて、送られてきたのが、青い表紙のこの本である。アルファベットに応じた、26の花の妖精がのっていた。もっぱら挿絵を陶然と眺めていた。
作者が100年近く前に描いた挿絵のカードで、ものすごくセンスがよく、高品質な、お菓子のおまけで、子供にとっては最高の贈り物である。自分の子供時代は、そういう時代だったのかと改めて思う。