『ニュー・シネマ・パラダイス』 (1988)
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ(イタリア)
『ニュー・シネマ・パラダイス』を35mmフィルム上映しているというので、立川のシネマテンに行く。随分前に、近所のビデオ店で、ビデオを借りて観た記憶のある映画。
冒頭、輝くシシリアの海を背景に茶色のポットと白いカーテンが映され、モリコーネの音楽が流れる。35mmフィルムの柔らかな画面に、ぐらりと映画の中に引き込まれるのを感じる。その後、映される主人公トトの母と妹の会話。その部屋の雰囲気に、大きな目の褐色の肌の妹に、ああこれはイタリア映画だと思った。自分が随分長いこと、ちゃんと映画を観てこなかったと思った。
可愛がったトトがローマにたつ際に、映写技師アルフレードが伝えた言葉:
「何をするにしても自分のすることを愛せ。子供の頃、映写室を愛したように。」
おそらく人の人生は、これに尽きるのだと思う。
久しぶりに淀川長治さんの映画のエッセーも読みたいと思った。(鑑賞日20240421)